テキストサイズ

君がいるから

第6章 一緒に暮らそう


「知ってるよ。とっくに」

二宮にあっさりと言われて

「え?え?何で!どうしてかず、知ってるの?!」

慌てたような雅紀に笑ってしまう。


「こないだ、見かけて電話したでしょ?」

その時にもう聞いたもん。


事も無げに答える二宮に

「ずるーいっ!何で教えてくれなかったのさ!」

雅紀が食いついた。


「いいじゃん。今分かったんだからそれで」

うん、大人だな二宮。

って事にしておこう。



「ちょっとぉ!何3人で遊んでんの!」

キッチンから

少し怒った智の声。

「あ!すいませーんっ」

二宮が慌てて戻って行った。



それと同時に

来客を告げるチャイムが鳴る。

潤だ。

俺は立ち上がって、玄関に向かった。



「待ってたよ!さ、入って入って」

「お邪魔しまーす」


潤は嬉しそうにニコニコしている。

「まだ、誰もお前が来るの知らないから」

「いいの…?」

一転して心配そうな顔。


こいつ、昔から意外と気が小さい。

いや、気が小さいと言うか凄く気を遣う。

「大丈夫に決まってるだろ」

安心させるように、俺は潤の背中を押した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ