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君がいるから

第6章 一緒に暮らそう


このまま襲いたい。

でも、すぐ近くには

雅紀達がいる。

俺は必死に理性を手繰り寄せて

ひとつ、深呼吸をした。



「まだ酔っ払ってる?」

それならまだ

智の行動も分からなくはない。

「もう醒めてる」

…本当かよ


「翔ちゃん、俺とキスしたくないの?」


したいに決まってるだろ

なんなら最後までだってイタシタイぞ…

「…智?」

ぷうっと唇を尖らす顔が

…誘ってるんだって!


「…俺からキスしたら、止まれない」

仕方なく、白状した。

俺はいつだって

お前を抱いていたいっつーの!

「今は無理でしょ。…我慢してるんだから、煽らないでよ」

同じ空間に他人がいるのに

…しかも部下。

出来るわけない。




「雅紀の方、見てみ?」

え?と言われた通り

寝ているはずの二人に視線を移して

「うぉ…っ」

声が出そうになって

慌てて両手で口を塞いだ。


腕枕で寝てると思っていた二人が

…キスしてた。

時折聞こえるクチュクチュと言う

唾液の絡む音は

一度意識してしまうと

やけに耳についてしまう。

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