君がいるから
第6章 一緒に暮らそう
人のキスシーンなんて、生で初めて見る。
しかも
良く知ってる二人
二宮の、少し苦しそうでいて
喘ぐような吐息が聞こえてくる。
「…ね」
面白いものを見た、と言った感じで
智が「むふふ」と笑った。
…何、人の家で盛ってんだよ!
そうやって声出して
気付かせれば良いのに
何故か目が離せない。
それどころか
いやらしい水音と、漏れる吐息に
興奮さえ覚えてしまう。
そして
目の前には好きな奴
もう、どうにでもなれ!
これは酒のせい。そう言う事にしてしまえ。
俺は智の肩を引き寄せて
誘うように薄く開いている唇に
自分のそれを重ねた。
「…っ」
誘っておいて
逃げようとする智の腰を抑えこむ。
だから、最初に言っただろ
俺からキスしたら、止まれないって
すぐに舌を差し入れて
智のそれを絡めとる。
戸惑ったように応えてる舌が
凄く、熱い。
容赦なく口内を味わいながらも
やっぱり気になって
雅紀達の方に視線を送ると
ちょうど顔を上げた雅紀と
バッチリ目が合った。