君がいるから
第6章 一緒に暮らそう
「…っく…ん」
「声出すと、雅紀達に聞こえるよ…?」
実は雅紀だってとっくに知ってるけど
お互い我慢出来なくて
それぞれが愛し始めちゃってるけど
俺と雅紀の、無言の合図があったけど
…そんな事など知る由もない智の
羞恥心をわざと擽ってやる。
肩から腰の辺りまでを
やわやわと撫でていけば
噛み締めた唇から
…甘い吐息。
もっと引き出してやりたくて
時折撫でる指に
力を入れると
「ふ…っく…!」
キツく目を閉じて
やり過ごそうとする。
だけどその手は止める事なく
腰からゆるゆると
上に手のひらを滑らして
…たどり着くのは
胸の小さな尖り。
「くぅ…っ」
指先でそこを掠めた途端
智の体がビクリ跳ねた。
「ぃや…っあん…!」
智ではない、甘い声が
突然耳に入ってきた。
その声に驚いて
思わず愛撫する手を止めて
お互いの顔を見合わす。
智も、びっくりした顔になった。
ゴクン、と息を飲むと
二人して
そっと、声のする方に視線を向けた。