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君と僕。

第10章 君と僕と誕生日

「っし!」

家に着いてからは時雨さんが晩御飯をしばらく肩代わりしてくれるので、自室でみっちり勉強を進めていく。

本当に頭が上がらない。

時雨さんの方が忙しいし、人間関係もあってきっとそういう疲れもある。


カチャ、カチャン...


扉越しに聞こえる食器洗いの音。
手伝いに行こうか、と少し腰が上がりかけるが、時雨さんの言葉を思い出す。




君には君の夢がある。
俺はその道を少しでも歩きやすくしたいし、険しいなら一緒に歩けるようにしてあげたい。
俺も踏ん張らないといけない時が来るから、その時には蓮君が俺の道を一緒に歩いてよ。






この人となら。
頑張ろうと思う。

そう思えた。

実習や課題に追われ、医者を目指すのを辞めたいと泣いた時、時雨さんは責めるでも、急かすでもなくただじっと抱きしめてくれた。

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