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棺の城

第6章 第三章・城と歴史

「昔の話を聞かせてほしい…?」


僕がせんせいの部屋を訪れた時、「お客さん」が居た

せんせいと同じ、綺麗な黒い長い髪

異国のヒト

いつもせんせいのところに来て

何かを話し込んで帰っていく

昔起こった、戦争について聞きたいです

そう言うと、せんせいも「お客さん」も、眉にシワが寄る

きれいな顔が、ちょっと痛ましい

「そうか…キミは、ミランダの…」

そう言いかけて、お客さんがそっと僕のほほに手を触れる。

細くて、冷たい指…

その鉄臭い…

どくん、

ヒトの血の…

どくん、どくん

ヒトの生臭い…

どくん、どくん、どくん、

匂い…

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