棺の城
第3章 序章
せんせいはそう言うとかばんの中からいろいろなものをゴロゴロと取り出し始める
それを背中に聞きながら、僕は彼女と向き合った
「お別れの時間です…なにか言い残すことは…?」
ちょっと悲しいけれど、いつもどおりのこの間合
一瞬彼女の口がゆっくりと開いて、何かを紡ごうとする
その目尻に涙がうっすらと浮かんだ
カチャカチャと静かな金属の擦れる音が止むと
せんせいが注射器を持って僕の隣に立っていた
その中には、心臓を焼き切る赤い、朱い、悪魔の薬
「抑えてろ」
そうせんせいに言われると、僕はベッドの上の彼女に馬乗りになる
腰を彼女の骨盤に落として
両手で乳房を握って抑える
両の乳房を左右に開くと
あばらが少し浮いて出た
そこにせんせいが大きな注射針を深く深く突き入れる
ぴくん、と彼女の肩が一瞬弱く
異物に対して拒絶する
彼女の胸腔を
彼女を終わらせる毒が侵食する
どくん、と
始まりはみぞおちの下だった
それを背中に聞きながら、僕は彼女と向き合った
「お別れの時間です…なにか言い残すことは…?」
ちょっと悲しいけれど、いつもどおりのこの間合
一瞬彼女の口がゆっくりと開いて、何かを紡ごうとする
その目尻に涙がうっすらと浮かんだ
カチャカチャと静かな金属の擦れる音が止むと
せんせいが注射器を持って僕の隣に立っていた
その中には、心臓を焼き切る赤い、朱い、悪魔の薬
「抑えてろ」
そうせんせいに言われると、僕はベッドの上の彼女に馬乗りになる
腰を彼女の骨盤に落として
両手で乳房を握って抑える
両の乳房を左右に開くと
あばらが少し浮いて出た
そこにせんせいが大きな注射針を深く深く突き入れる
ぴくん、と彼女の肩が一瞬弱く
異物に対して拒絶する
彼女の胸腔を
彼女を終わらせる毒が侵食する
どくん、と
始まりはみぞおちの下だった