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棺の城

第3章 序章

それから数分もしないうちに

ぴくぴくと弱々しく指先を痙攣させて

彼女は逝った

開きっぱなしのまぶたを閉じて

袖で頬に垂れた泡を拭き取る

唇を閉じて、身体を整えると

今までの狂乱が嘘のよう

もう眠っているだけじゃないかって思うくらいに

彼女は美しいままだった

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