4月は君のぬくもり
第2章 彼の秘密
『キーンコーンカーン…』
四時間目が終わるとお昼だ。一旦職員室に戻った教員は外へ行く人もいた。
私は席で、母の作るお弁当を食べていた。
私の隣は英語の寺島先生が座っている。教員歴15年のベテランで。
まだまだ新米の私を何かと気に掛けて下さって、とても心強い存在である。
寺島先生も愛妻弁当だった。
私達は最初たわいないおしゃべりをしていたが、突然寺島先生が神妙な顔になり私に言った。
「ところで先生のクラスの津田晶午は…ちょっとわけありなんですよ」
「…っ」
私の箸を持つ手が止まった。
「それは、どういうことですか?」