4月は君のぬくもり
第1章 プロローグ
カラオケで思い切り発散し、お互いの近況報告に花を咲かせていると時間はあっという間に過ぎてしまった。
私達はなごり惜しかったが店を出た。
カスミは彼が迎えに来るらしく、ミチルと
マミはバスで帰る。
私は地下鉄だから、ここでみんなとはお別れだった。
「じゃあねー!また今度もみんなで会おうねー」
「今日は楽しかったよ。明日からまた仕事がんばろうね!」
「じゃあまたねーバイバーイ!」
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「ふふっ」
懐かしかったなー。四人が揃う事なんてめったにないから…。
私はまだみんなとの楽しい余韻に浸っていた。
午後九時過ぎの繁華街。私は地下鉄の入り口を目指して、一人歩いていた。
すると、後ろから走ってきた一台の車が、私の横にエンジンをふかせたまま止まった。
…?
私は何だろうと首を傾げて歩幅を緩め、そちらを振り返った。