4月は君のぬくもり
第5章 内緒の同居生活
もう一度ちゃんと話し合うため、私達は向き合って座った。
「言っておくけど、私があなたと住むのは教師として監視するためでもあるの」
「監視って、まるで俺が犯罪者みたいな言い方だな」
「だからまずは、ホストなんて未成年にあるまじき仕事は金輪際辞めてもらいます」
「…ねぇ先生、それだけのためにわざわざ俺と暮らす気か?」
「もちろんそれだけじゃないわ。
おせっかいかも知れないけど…私決めたの。
学校では先生だけど、家ではあなたのお母さん代わりになろうって」
「は?お母さん?」
「そうよ。津田君には毎日安心して学業に励んで、楽しい高校生活を欲しい。それが私の願いなの」
津田君は黙って私をじっと見ていた。私も目を逸らさなかった。
真剣だったから。
「…ま、大体言いたいことはわかったよ。じゃあ、俺の提案も聞いてくれる?」
「なぁに?」
「母親なら津田君じゃなく、"晶午"って名前で呼べよ。俺も先生の事、家では"由衣"って呼ぶ」
「えっ!」