テキストサイズ

4月は君のぬくもり

第6章 恋のライバル


朝の職員会議が終わると、先生達は授業の用意を持って次々と出て行く。


あの番組の件は、まだ誰にも聞かれていない。
ほっ…。意外と見ていないんだ。
朝からずっとそればかり気になっていたけど、どうやら取り越し苦労だったみたいね。
さて、私も行かなきゃ。


「っ」

その時私に近寄ってきたのは、ジャージ姿の阪口だった。


「堀江先生、生徒と付き合ってるんだ」

「えっ?」


まさか…。

「ピアノを弾く君の横にいたよな?
確か、津田晶午だっけ。二人でデートしていたんだろ?」


ドクン、

「い、いいえっ。あれはたまたま買い物に行ったら彼と偶然会って。せっかくだから一緒にお茶をしましたけど。それだけです」

まわりにはもう、私達しかいなかった。
坂口が私をじっと見つめる。


「おれは君がこの学校へ赴任してきた時から、ずっと好きだった」


「阪口先生…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ