4月は君のぬくもり
第7章 ♪Jet'aime★Jet'aime
晶午side
幸二から言われた。
「お前今日は授業中以外、教室にいんな。
えみを傷つけたんだからな」
「わかってるよ」
俺は休み時間になると、一人屋上で時間をつぶしていた。
でも、ふと由衣の顔が見たくて職員室へ行き、俺は中を覗いた。
その時、
不意に肩を叩かれた。
「っ」
それは去年まで担任だった寺島先生だった。
「津田、元気でやってるか?いつもお前の事は気になっていたんだ」
「はい…。なんとかやってます」
「そうか、それならいいんだが。で、堀江先生に用事なら呼んできてやるぞ?」
「いえっ、大した用じゃないんで」
俺は慌てて教室へ戻ろうとした。
すると、
前から女子生徒に囲まれた体育の阪口がやって来た。
機嫌良さそうに笑っていたが、俺に気づくとなぜかその表情が変わった。
「もう君達は教室へ戻りなさい」
と女子達に言うと、
「津田。ちょっと話がある」
「え?」
阪口は人気(ひとけ)のない所へ俺を連れて行った。
「悪いが堀江由衣の事は、諦めてくれ」
「何、諦めるって…。意味がわからないんですけど」
「しらばっくれるな。二人が付き合ってるのは知ってるんだ」
「っ!」
阪口の目は俺を威圧していた。