4月は君のぬくもり
第8章 すれ違う心
休み時間。
私は職員室で熱いお茶を飲んでいた。
今日は朝から雨が降っていて、薄着で来た私は肌寒かった。
私の席の周りには誰もいなくて、離れた場所には何人かの先生が休憩している。
そこへ
体育館から戻ってきたジャージ姿の阪口と、目があってしまった。
こっちに近づいてくる…。
「おれと付き合う気になったか?」
「いいえ、なりません」
「ふっ、まあいい。いずれおれを好きになるに決まってるさ」
「…」
阪口はそう言うと、自分の席へ向かった。
ふぅー。
私は、阪口のような自信過剰な男性が苦手なのだ。