4月は君のぬくもり
第8章 すれ違う心
晶午は前列の机にひょいと腰掛けると、足を組んだ。
「晶午、ギター弾けるの?」
「ふっ。元ホストの実力、ばかにするなよ?」
「だって、普段そんな素振り見せなかったじゃない」
晶午の細くて長い指先が、弦にかかった。
え…
それは私の好きなアーティストの曲だった。
前に私が話したのを、覚えていてくれたんだ。
「…」
完璧ともいえる演奏に、歌も上手だった。
「すごーい、晶午!」
「ちょっとは見直した?」
「うん、すてきだった…」
まだ感動が覚めない。
晶午のあらたな一面を知って。