4月は君のぬくもり
第10章 引き離された二人
「津田君は何も悪くありませんっ。同居を企てたのは私ですから、どう処分されても構いません。でも、彼だけは許してあげて下さい」
「違う!先生は俺を救ってくれたんだ。俺は未成年でありながら、とんでもない暮らしをしていたから…実は」
「だめよっ!!晶午それ以上言わないで」
私は叫んだ。
晶午がホストをしていたなんて、それだけは絶対に隠しておきたかった。
ふらっと一瞬よろめいた母を私はとっさに支えると、そのまま一緒に車に向かった。
「由衣っ!行かないで」
「ごめんね晶午…」
「やだよっ!」
晶午の悲痛な声に涙が込み上げる。
「由衣ーっ!!」
わかって晶午。
今の私には、あなたを守ることしかできないのよ……。