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果てない空の向こう側【ARS】

第7章 ツバメ(和也)

和「用がないなら帰れよ。こっちは忙しいんだ。」

リリー「じゃあ、次は連絡してから来る。アドレス教えて?」

和「教える訳ないだろ。」

リリー「じゃあ、電話番号。」

和「だから、教えないって!」

リリーはほっぺを膨らませて、すねた。

リリー「これ…。」

リリーはすねながら、スクールバッグから何かを取り出して差し出した。

受け取ってみると、それはフェルトで作られたマスコットだった。

和「これは…。」

リリー「昨日、徹夜で作ったの。カズ先生にあげようと思って。」

そのマスコットは、俺の漫画のキャラクターのリリーだった。

下手くそな縫い目で作られたマスコットだった。

和「あ、ありがと…。」

俺がマスコットを受け取ると、リリーは小さくはにかんで、また転がるように帰って行った。

ツバメが、軒下の巣のヒナにエサを運んできた。

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