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母「あらあら、リリーちゃんは本当に漫画が好きなのね。」

智「和也はな、ずっと前から城島先生のアシスタントしてんだよ。」

なぜか智兄が得意げに言った。

母「和也、よかったらあんたの部屋をリリーちゃんに見せてあげなさいよ。漫画の本や道具がいっぱいあるでしょ。」

和「やだよ、そんなの。」

リリー「見たい、見たい！」

智「見せてやれよ。かわいいギャルが言ってんだから。」

智兄は、久々に接する若い女の子に、鼻の下を伸ばしっぱなしだった。

和「えー…。」

俺は三人に押し切られるかたちで、リリーを部屋に案内した。

リリー「わー、すごい！ 漫画がいっぱい！」

リリーは本棚に並べられた漫画の本を見て驚いた。

リリー「カズ先生は、漫画以外に小説も読むのね。」

リリーは本棚をしげしげと眺めてまわった。

和「ああ、夏目漱石や中原中也も読むよ。SFも好きだよ。」

リリー「ゲームの攻略本も！ カズ先生って、私と同じ生粋のオタクなのね。」

リリーはケラケラと嬉しそうに笑った。