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果てない空の向こう側【ARS】

第7章 ツバメ(和也)

それから机に向かって、次の漫画のネームを描いた。

没頭して描いた。

気がつくと、すっかり窓の外は暗くなってた。

階下から、夕飯のいいにおいがしてきた。

俺は鉛筆を置くと、台所におりた。

母「あ、和也、晩ごはん遅くなってごめんね。町内会の寄り合いがあって。」

時計を見ると、夜9時を少し過ぎていた。

翔兄も、潤も帰っていた。

今日の夕飯は、キャベツ炒め。

母さんのスピードメニューの定番だ。

母「ワカメスープ出して、お湯入れて!」

俺は戸棚から、即席のワカメスープを人数分取り出すと、それぞれスープカップに中身をあけた。

俺が入れたあとから、潤がお湯を注いでいく。

母さんはずっと働いていて、家庭のことも地域の付き合いもひとりでやってるから、ご飯が手抜きの日があっても、誰も文句は言わない。

母さんと、智兄と翔兄と潤と俺が席に着く。

「いただきます。」

翔兄は、すでに2本目のビールをあけている。

智兄は、ツナ缶を出してきて、マヨネーズであえてご飯にのせた。

潤は、ぬか漬けを出してきて、ポリポリ言わせて食べている。

雅「ただいま!」

そうこうしているうちに、雅紀兄が帰ってきた。

雅「はい、お土産! 餃子だよ!」

翔「やっほー!」

翔兄が雄叫びをあげた。

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