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翔『なんだよ、早く言えよ。』

潤「実は…、俺、社内試験に受かってハサミ持たせてもらえることになったんだよ！」

翔兄は、一瞬固まったかと思ったら、いきなり椅子を倒して立ちあがった。

翔『うっそ、マジで！？』

潤「マジだよ！」

翔『うおっしゃあああ！！』

翔兄は、渾身のガッツポーズを決めて叫んだ。

その声に驚いた同僚の村上さんが、ドアを開けて部屋に入って来た。

村上『五十嵐くん、どしたんや！？』

翔兄は、村上さんに抱きついて、ぐるぐる回り出した。

翔『やった、やった！』

村上『何やな、離してぇや！ 目ぇ回る！』

翔兄は、回転を止めると、村上さんを力いっぱい抱きしめた。

翔『チョーサイコー！ たまんねー！』

村上『痛い！ 痛いわ、五十嵐くん！ 離して！ 俺、そんな趣味あらへんし！』

俺は、そんな二人を見ていて、怒りがこみ上げてきた。

潤「翔兄！ 何してんだよ！ 離れろよ！」

パソコンに向かって怒鳴りつけると、翔兄ははたと我にかえって村上さんをほどいた。