果てない空の向こう側【ARS】
第10章 ワンダフル・ワールド(潤)
体を離した二人を見て、俺は詰まった息をはいた。
潤「何だよ、肝心の俺をそっちのけでさ!」
パソコンの画面に映る俺に気づいた村上さんが、パソコンに近づいてのぞき込んだ。
村上『五十嵐くん、誰これ? えらい男前が、真っ赤な顔して怒ってるで!』
翔『弟だよ。美容院の内部試験に合格して、カットができるようになったって報告してきたんだ。』
村上『へぇ〜。』
村上さんは、まじまじと画面の中の俺を見つめた。
村上『しっかし、ほんま男前やな。キミ、彼女おんの? 美容師って給料なんぼもらえんの? お好み焼き好きか? 今度俺の散髪してぇや。』
村上さんは、矢継ぎ早に俺に質問してきた。
翔『村上、もういいから。』
翔兄は、ドアに向かって村上さんの背中を押した。
村上『しかし、弟が試験に受かったくらいで、えらい喜びようやなぁ。五十嵐くん、マザコンだけやのうて、ブラコンか?兄弟なんて、ダブルで禁断やなぁ!』
翔『うるせー! 黙れ!』
翔兄は、村上さんの尻を蹴って部屋から追い出した。
翔『あ…、悪い。いいやつなんだけど、ちょっと口数が多くて…。』
翔兄が、頭をかきながらパソコンの前に戻ってきた。
潤「……、しないんだ。」
翔『え、何が?』
潤「俺のこと好きだって、否定しないんだね。」
翔『ほえ?』
潤「何だよ、肝心の俺をそっちのけでさ!」
パソコンの画面に映る俺に気づいた村上さんが、パソコンに近づいてのぞき込んだ。
村上『五十嵐くん、誰これ? えらい男前が、真っ赤な顔して怒ってるで!』
翔『弟だよ。美容院の内部試験に合格して、カットができるようになったって報告してきたんだ。』
村上『へぇ〜。』
村上さんは、まじまじと画面の中の俺を見つめた。
村上『しっかし、ほんま男前やな。キミ、彼女おんの? 美容師って給料なんぼもらえんの? お好み焼き好きか? 今度俺の散髪してぇや。』
村上さんは、矢継ぎ早に俺に質問してきた。
翔『村上、もういいから。』
翔兄は、ドアに向かって村上さんの背中を押した。
村上『しかし、弟が試験に受かったくらいで、えらい喜びようやなぁ。五十嵐くん、マザコンだけやのうて、ブラコンか?兄弟なんて、ダブルで禁断やなぁ!』
翔『うるせー! 黙れ!』
翔兄は、村上さんの尻を蹴って部屋から追い出した。
翔『あ…、悪い。いいやつなんだけど、ちょっと口数が多くて…。』
翔兄が、頭をかきながらパソコンの前に戻ってきた。
潤「……、しないんだ。」
翔『え、何が?』
潤「俺のこと好きだって、否定しないんだね。」
翔『ほえ?』