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果てない空の向こう側【ARS】

第10章 ワンダフル・ワールド(潤)

俺はジーの工房の戸を乱暴に開けた。

ジーは驚いて顔を上げた。

潤「あー、ホント参ったよ!」

俺は上がり口でブーツを脱いで、壊れたブーツを見せた。

潤「ブーツの底直して。外れないように、しっかり着けてくれよ。」

ジー「潤…。」

俺は、ジーにかけ寄り抱きしめた。

潤「やっぱ俺、あんたのこと好きだ。」

ジーは、身を固くしたが抵抗しなかった。

潤「過去は消せないかも知れないけど…。俺、これからのあんたを幸せにしてやるよ。」

ジー「な、なによ! その上から目線の発言! どこの王様よ!」

ジーは俺の腕をふりほどこうとしたが、俺は許さなかった。

潤「俺がジーに触れるのは、ジーが愛しいからだ。それは信じて。」

ジー「潤…。」

俺はジーの髪をなでた。

潤「それと…、さっきはひどいこと言って、ごめん。」

ジー「潤…。私こそ、潤のこといつも小馬鹿にしてごめん…。距離が近くなるのが怖くて…。」

ジーはそう言うと、俺の首に腕を回した。

でもその腕はガタガタと震えていた。

潤「無理すんなって。」

俺はジーの鼻の頭にキスをした。

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