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果てない空の向こう側【ARS】

第3章 四男・和也(漫画家)

パーティー当日、潤はわざわざ仕事を遅出にしてもらったという。


俺の長かった髪をすっきりカットして、セットしてくれた。


潤「俺、店ではまだシャンプーボーイだけどさ。」


翔兄に買ってもらったスーツを着て身支度が整った俺の姿を見て、みんな驚いた。


智「おめぇ、誰だ?」


翔「いやマジ驚いたわ。」


雅「馬子にも衣装だね。」


翔「雅紀、言葉の使い方間違ってるし。」


母「和也、立派になって…。」


潤「和兄イケてるよ。ホントかっこいい。」


俺は何だか恥ずかしくて、逃げるように家を出た。


電車に乗るために駅前まで歩いて来たら、数人の女の子が俺を見て振り向いた。


「あの子、かっこよくない?」


そんな声が聞こえてきた。


俺は女の子たちの視線を振り切るように走って電車に飛び乗った。


電車の中でも、知らない女の子たちにじろじろ見られた。


和「だから嫌だったんだよ…。」

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