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果てない空の向こう側【ARS】

第3章 四男・和也(漫画家)

シカトされてる時は、正直こたえた。


体育で二人組になるとき、必ず余った。


弁当も一人で食った。


でも家族には言えなかった。


母さんが夜勤しながら俺の学費払ってくれてたから。


それでも時々は足りなくて、大学生だった智兄や翔兄からバイト代を借りていたみたいで。


修学旅行の積み立て金とか大変みたいだった。


母さん、兄貴たちに「ごめんね」って何度も謝ってた。


兄貴たちも嫌な顔せず母さんにお金を貸していた。


「シカトされてるから学校に行きたくない」なんて言える訳なかった。


そんな昔のことを思い出していたら、駅に着いた。


会場のホテルに入ると、受付の前に国分さんがいた。


国「おっ、五十嵐くん、見違えたよ。」


和「いやぁ…。」


俺は国分さんに連れられて、会場である宴会場に入った。

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