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果てない空の向こう側【ARS】

第1章 五十嵐家の朝

翔「やべ、もうこんな時間。ごちそうさま。」


翔は食器を流しに下げると、バタバタと身仕度をした。


翔「智兄、俺来週大阪に出張あるから。」


智「おう、翔も忙しいんだな。」


翔「ベトナム支店の立ち上げの会議だよ。大阪オフィスと共同で進めるんだ。」


雅「翔兄がベトナム支店の支店長になったりして。」


翔「んなわけねぇだろ、俺なんかまだぺーぺーだよ。じゃ、行ってきます!」


翔は朝刊を小脇にはさみ、バッグをつかむと世話しなく玄関を出ていった。


雅「じゃ、俺も行こうかな。」


雅紀が立ち上がった。


智「行く前に和也起こしてけ。あいつ、今日は出版社に行くって言ってたから。」


雅「りょーかい。」


雅紀は食器を下げると、台所を出ていった。

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