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果てない空の向こう側【ARS】

第4章 二男・翔(商社勤務)

大阪城の中は歴史博物館になっていて、展示を見ながら階を上がって行った。


母「ほら翔、金の茶室の復元だって!」


母さんが指さす先には、原寸大に復元された金の茶室があった。


母「すごいね、部屋中金ピカで目がチカチカするよ。」


かなり以前に作られたと思われる、くたびれた感満載の金の茶室の復元に母さんは興味津々だった。


金の茶室だけじゃない。


この大阪城の中の展示物はどれもかなり古くて、全体的にくたびれ感じがした。


城の建物自体も鉄筋コンクリートで再建されたもので、エレベーターまである現代的なものだ。


歴史の風情みたいなものは、あまり感じ取れない。


なのに、たくさんの入場者で館内は賑わっていた。


外国人観光客もたくさんいた。


翔「再建されたものとはいえ、やっぱり大阪城は大阪のシンボルなんだな。」


そんなことを考えながら、俺は母さんと順路を進んだ。

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