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果てない空の向こう側【ARS】

第4章 二男・翔(商社勤務)

ほどなくして、注文したうどんが運ばれてきた。


大阪のうどんは、かどが丸くてやわらかい。


讃岐のコシが強いうどんに対して、「大阪の腰抜けうどん」と称されることもある。


俺は東京では時々立ち食いそば店には寄るが、大阪の立ち食いうどんは初めてだった。


丼の薄色のつゆから立ち上る、ふくよかなだしの香り。


俺は、箸でうどんをすくいあげると、一気にすすった。


翔「あち!あちっ!」


母「そんなに慌てて食べて…。熱くてあたりまえだよ。」


母さんが水を手渡してくれた。


俺は水を飲んで気を落ち着かせると、今度はゆっくりとうどんをすすった。


翔「うめぇ…。」


豊かなだしの味はもちろん、やわらかめのコシのうどんが、関西風のだしにすごく合っている。


うどんとだしが、お互い寄り添うように丼の中におさまっている。

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