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果てない空の向こう側【ARS】

第4章 二男・翔(商社勤務)

村上「櫻井君はしょっちゅう大阪まで来なあかんし大変やな。」


打ち合わせのあと声をかけてきたのは、ベトナム語が堪能な大阪オフィスの村上。


翔「もうなれたよ。新幹線なんて、もう山手線みたいなもんだよ。」


村「なんやそれ! 山手線やったらグルグル回るだけやし一生乗ってても大阪まで到着せぇへんわ!」


村上は、ケラケラと声高らかに笑った。


さすが、大阪人は突っ込みが鋭い。


翔「そうだね。」


俺も連られて笑った。


村「櫻井君、これから飲みに行かへん? リバーサイドのオープンテラスのいい店があるねん。」


いつもならOKしたかもしれないが…。


翔「ごめん、今日は母親と一緒に来てるんだ。」


村「なに、櫻井君て会議にお母ちゃん連れて来んの? マザコンなん?」


村上は目を丸くして驚いた。


翔「ええっ、ち、違うよ!」

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