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果てない空の向こう側【ARS】

第4章 二男・翔(商社勤務)

翔「何これ?」


ジョッキの中の赤いドリンクは、炭酸が入っているようで、シュワシュワ泡が弾けていた。


村「まぁ飲んでみ。お母ちゃんも酒はいけるやろ?」


俺と母さんは、グラスを合わせてゴクリと飲んだ。


翔「うまっ! 何これ? カクテル?」


母「甘くておいしいね。村上君、これはお酒なの?」


赤いドリンクは甘くて、でも炭酸の清涼感で爽やかな口当たりだ。


村「『赤』や。『バクダン』とも言うんや。」


大将「赤玉スイートワインと焼酎を炭酸水で割った飲み物ですわ。お好み焼き屋の定番ですわ。」


大将が教えてくれた。


女将「京都が発祥らしいですけど、大阪でも置いてる店もあるんですわ。」


翔「へぇ、これは東京にはないな。うまいわ、これ。」


あまりのうまさに、俺は一気にグラスを空けた。


村「おいおい、焼酎入ってんねんから、そんなにいっぺんに飲んだらつぶれるで。」


村上が血相を変えてグラスを取り上げた。

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