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果てない空の向こう側【ARS】

第4章 二男・翔(商社勤務)

食事を終えて、村上の店を後にした。


翔「夢、か…。」


俺は、父さんが亡くなってから、母さんを支えることで精一杯だった。


智兄が美大を出た後も定職に就いてなかったし。


まぁ、智兄は自由人だし、金儲けには向いてないし、期待もしてない。


その点俺は頭も悪くないし、ビジネスは苦手じゃない。


一流商社に入って、今は経済的にも安定している。


弟たちも、仕事をしているから、もうたいした経済的援助は必要ない。


じゃあ、俺はこの先どうしていくんだ?


今の仕事は嫌いじゃないが、村上みたいに目標がある訳ではない。


タクシーの窓から流れる大阪の街の灯りをながめていた。


母さんは、となりで寝息をたてて眠っている。


遠くのビルのすき間から、金ピカに輝く大阪城が見えた。

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