テキストサイズ

果てない空の向こう側【ARS】

第1章 五十嵐家の朝

智「潤、ほら起きろ。」


ベッドで寝ているのは、五男の潤。


俺は潤の体をゆさゆさと揺らした。


潤「うっせーな!」


長身の体から繰り出される回し蹴りを寸前のところでよけた。


潤は寝起きが悪い。


その寝起きの時の攻撃性は殺人並みだ。


智「起きねぇと遅刻すっぞ。」


俺は再び潤の体を揺らした。


潤「わかったって!」


長い腕を振りかざし裏拳が飛んでくるが、それも身をかわし避けた。


俺は潤の部屋を出ると台所に戻った。


和也はテーブルで寝息を立てていた。


智「まったく…。」


俺は和也の頭をなでた。


和也の目の下には、徹夜明けの証拠のくまができている。


潤「はよ…。」


潤が台所に下りてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ