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果てない空の向こう側【ARS】

第1章 五十嵐家の朝

潤「俺、コーヒーだけでいい…。」


潤は、不機嫌を隠すことなくドサッと椅子に座った。


智「コーヒーだけじゃ、昼まで持たねぇだろ?」


潤「今日はあまり予約は入ってないし、昼前から雨だから飛び込みの客も来ねぇよ。」


智「美容院も天気が関係あんのか。」


俺はコーヒーメーカーに豆と水をセットした。



しばらくすると、コポコポと音がしてコーヒーの香りが台所に立ち込めた。


コーヒーの香りに誘われて、和也が目を覚ました。


和「……、潤、おはよ。」


潤「はよ、和兄。」


俺はマグカップにコーヒーを注ぐと、潤と和也に差し出した。


潤「サンキュ。」


潤はコーヒーを飲み干すと、髪を入念にセットして出勤していった。

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