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果てない空の向こう側【ARS】

第5章 三男・雅紀(中華料理店コック)

歩いてすぐの月極め駐車場。


わが家で車を持っているのは、俺と翔兄。


和也と潤は免許は持ってるけど自分の車は持ってない。


この前、潤に俺の車を運転させたらめちゃくちゃ飛ばして怖かった。


ダンプをあおってどかせてた。


だからもう潤には車は貸さないと決めた。


車を家の前までまわして、短くホーンを鳴らす。


母さんが玄関の鍵を閉めて出てきた。


助手席に乗ると、シートベルトを締める。


母「お願いね。」


車を発進させた。


マルフジヤまでは車で10分ほど。


昔ながらのスーパーマーケットだ。


駐車場に車を入れると、カートを押して店内に入る。


母「お米がないのよ。」


母さんは、さっきも聞いたセリフを繰り返す。

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