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果てない空の向こう側【ARS】

第5章 三男・雅紀(中華料理店コック)

オープンしたての店だけど、平日の昼間のせいかすいていた。


俺はカウンターでキャラメルマキアートのトールを注文した。


母さんは、怖い顔でメニューとにらみあっていた。


さんざん悩んだ挙げ句、母さんが頼んだのは…。


母「ほ、本日のコーヒー…。」


店員「トールとミディアムどちらになさいますか?」


母「ミディアムって…? 中まで熱いのにしてください。」


母さんはステーキの焼き加減と勘違いしていた。


雅「ミディアムで。」


俺は店員さんに言った。


店員「かしこまりました。」


店員さんはにこやかに微笑んだ。


俺と母さんは出来上がりカウンターでコーヒーを受け取って、テラスのテーブル席についた。


母さんは、本日のコーヒーを手にしょぼんとしていた。

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