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果てない空の向こう側【ARS】

第6章 五男・潤(美容師)

客「誰か! 責任者呼んで! 話にならないわ!」


お客様は怒ってしまって大声を上げた。


山「お客様、申し訳ございません。すぐにやり直しますので。」


山口さんがサッと俺とお客様に割って入った。


客「あなた、責任者なの?」


山「私は彼の教育係です。大変申し訳ありません。」


山口さんは俺を後ろ足で蹴った。


どっか行けということだ。


俺はホウキを手にすると、しぶしぶサロンの床を掃除しだした。


山「お客様の髪はコシがあってハリがあるので素敵ですね。」


山口さんはてきぱきと手を動かしながらお客様に話しかける。


客「そんなことないわよ、髪が広がって大変よ。」


山「お客様みたいな髪にハリのある方は、ボリュームのあるボブがお似合いですよ。」


山口さんは、さりげなく話を女優からシフトチェンジさせた。

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