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果てない空の向こう側【ARS】

第6章 五男・潤(美容師)

俺はお客様からスマホを受けとると、アイドルの髪型をじっくり観察した。


山口さんから受けた指示を思い出しながら、丁寧にセットした。


セットしながら、スタイリングの方法をお客様に説明した。


明日の本番には、お客様自身でスタイリングしてもらわなくてなならないから。


お客様は、食い入るように俺の説明を聞き、手の動きを見つめた。


潤「できたよ。どう?」


セットが終わり、合わせ鏡で後ろ姿も確認してもらう。


高校生「うわ…、マイちゃんみたい…!」


お客様は鏡の中の自分に釘付けだった。


お客様はしばらく鏡をながめたあと振り向いた。


高校生「ありがとうございます! 本当にありがとうございます!」


そう言って、何度もお辞儀をした。

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