龍虹記(りゅうこうき)~禁じられた恋~
第2章 流転~身代わりの妻~
十五歳のまだ声変わりもしておらぬ千寿と比べるべくもない。それでも、間近で完成された大人の男の肉体を見、千寿は己れの身体がいかにも貧弱なように思われた。
―私は背も低いし、痩せっぽちで、まるで子どもだ。だから、ろくに抵抗もできず、こんな男に良いようにされてしまう羽目になる。
所詮、自分のような子どもはこの男の相手ではないのかと思うと、情けない。
そんな想いに浸っている千寿の前で、嘉瑛は下帯まで取り、本当に素っ裸にになった。
呆気に取られている千寿を意味ありげに見つめ、嘉瑛がニヤリと卑猥な笑みを浮かべた。
嘉瑛がまともに千寿の方を向くので、見たくもないものを見せられることになり、千寿は慌ててそっぽを向いた。
「さあ、本当のお愉しみは、ここからだ」
「えっ?」
千寿はもうこれでおしまいかと安心していただけに、顔色が変わった。
「何をするの―?」
そう思わず訊ねてしまったその声は、自分でも恥ずかしいほどに稚(おさな)かった。
「千寿、恥ずかしがらずにこちらを向け」
促され、何気なく振り向いたその先を見て、千寿はヒッと顔を強ばらせた。
先刻はろくに見もしない中から顔を背けてしまったけれど、嘉瑛の下半身で雄々しく力強さを誇っているそれは、同じ男である千寿にも馴染みのあるものだ。だが、その嘉瑛自身は、自分のものとは比べものにならないほど隆と屹立していた。
千寿の顔が見る間に蒼褪めた。
これから嘉瑛が何をしようとしているか判らないなりに、自分の身がとんでもない状況に直面しているのだけは判る。本能的に危険を察知したのだ。
俄に烈しい恐怖を憶え、千寿は腰を浮かした。身を翻そうとしたところ、背後から嘉瑛に抱きすくめられてしまった。
「い、いやだっ。怖い」
千寿は泣きながら、渾身の力で抗った。
「泣くな。泣くようなことではない」
嘉瑛は宥める口調で言い聞かせ、千寿の両脚を大きく開脚させ、胸に腹を押しつけるような格好をさせた。くの字に身体を折り曲げるこの体勢はかなり苦しいものだった。
初めて男を受け容れる千寿の身体のことなど、嘉瑛は少しも考えてはいなかった。突如として背後のやわらかな双つの双丘の狭間に固い嘉瑛自身を突っ込まれ、千寿は喉が嗄れるような悲鳴を上げた。
―私は背も低いし、痩せっぽちで、まるで子どもだ。だから、ろくに抵抗もできず、こんな男に良いようにされてしまう羽目になる。
所詮、自分のような子どもはこの男の相手ではないのかと思うと、情けない。
そんな想いに浸っている千寿の前で、嘉瑛は下帯まで取り、本当に素っ裸にになった。
呆気に取られている千寿を意味ありげに見つめ、嘉瑛がニヤリと卑猥な笑みを浮かべた。
嘉瑛がまともに千寿の方を向くので、見たくもないものを見せられることになり、千寿は慌ててそっぽを向いた。
「さあ、本当のお愉しみは、ここからだ」
「えっ?」
千寿はもうこれでおしまいかと安心していただけに、顔色が変わった。
「何をするの―?」
そう思わず訊ねてしまったその声は、自分でも恥ずかしいほどに稚(おさな)かった。
「千寿、恥ずかしがらずにこちらを向け」
促され、何気なく振り向いたその先を見て、千寿はヒッと顔を強ばらせた。
先刻はろくに見もしない中から顔を背けてしまったけれど、嘉瑛の下半身で雄々しく力強さを誇っているそれは、同じ男である千寿にも馴染みのあるものだ。だが、その嘉瑛自身は、自分のものとは比べものにならないほど隆と屹立していた。
千寿の顔が見る間に蒼褪めた。
これから嘉瑛が何をしようとしているか判らないなりに、自分の身がとんでもない状況に直面しているのだけは判る。本能的に危険を察知したのだ。
俄に烈しい恐怖を憶え、千寿は腰を浮かした。身を翻そうとしたところ、背後から嘉瑛に抱きすくめられてしまった。
「い、いやだっ。怖い」
千寿は泣きながら、渾身の力で抗った。
「泣くな。泣くようなことではない」
嘉瑛は宥める口調で言い聞かせ、千寿の両脚を大きく開脚させ、胸に腹を押しつけるような格好をさせた。くの字に身体を折り曲げるこの体勢はかなり苦しいものだった。
初めて男を受け容れる千寿の身体のことなど、嘉瑛は少しも考えてはいなかった。突如として背後のやわらかな双つの双丘の狭間に固い嘉瑛自身を突っ込まれ、千寿は喉が嗄れるような悲鳴を上げた。