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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第1章 Lost virgin


 「ああっ!!」

 焼ける様な熱さと痛みに、アタシの身体は強張る。坂内部長は、アタシの気を紛らわす為に、優しく背中を撫でながら、「キスに集中してご覧?」と言って、口付ける。舌を絡められ、それに応えている内に、アタシの意識は口付けに集中する。完全に痛みを忘れる事は出来ないけれど、それで随分と楽になった様な気がした。

 「大丈夫?」と唇を離した部長が尋ねる。痛いけれど、耐えられない程ではないのは、部長のお陰なのかな。アタシは部長の問いに、「大丈夫」と微笑むと、部長は「無理して笑わなくていいんだよ」と言って、アタシの頬を撫でた。

 「無理なんかじゃないです。アタシ、いま嬉しいから……」

 そう言って部長にギュッと抱き付くと、そんなアタシを部長は抱き締め返してくれ、「僕も森脇さんと一つになれて嬉しいよ」と言いながら、頬に口付けてくれる。

 「こんなオジさんを初めての相手に選んでくれて、有難う」

 「オジさんだなんて……。さっきも言いましたけど、部長の事はそんな風に思っていません。坂内部長は素敵な男の人です!」

 アタシは部長の頬に自分の頬を擦り寄せながら、きつく部長を抱き締める。何で部長は自分の事を「オジさん」等と言って距離を置こうとするんだろう。何だかそれが寂しい。アタシは部長から見たら、子供なんだろうか?

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