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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第2章 衝撃のショッピング・デート


 (アタシったら何を考えてるのよ。こんな真昼間っから!)

 一人で思い出して、一人で突っ込む。アタシの脳内は忙しい。すると隣でクスクスと笑う坂内部長。アタシは訝し気に見上げると、部長は「相変わらず百面相が可愛いね」と言って、笑っていた。顔に出ていたのかと、恥ずかしくなって俯くと、「下を向いていると、人とぶつかるよ?」と言ってアタシの顎を取り上を向かせた。そして耳元に唇を寄せると、「あんまり可愛い顔ばかりしないでね? ドキドキしちゃうから」と囁く。

 (いや、部長。部長の方がアタシをドキドキさせてますからっ!!)

 そう突っ込みたかったけれど、ドキドキして言葉には出来なかった。アタシの心臓、今日一日もつだろうかと不安になってきた。

 「取り敢えず、軽く何かを食べて洋服でも見ようか?」

 そう言うと坂内部長は歩き始める。アタシは部長に手を引かれながら、その後をついていくだけだ。最初、お誘いを受けた時に、何処か行きたいところはないかと訊かれたのだけれど。基本的に外に出るのを嫌うアタシには、行きたいところなんてなくて。部長にお任せしますと伝えたら、「季節の変わり目だし、洋服でも見よう」と言う事になったのだ。

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