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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第2章 衝撃のショッピング・デート


 「部長。アタシは、アタシと付き合う事にしたからと言って、息子さんの気持ちを無視して、頼子さんにお願いするのは、違うと思います。それに部長は、今までずっと一緒に暮らしてきた息子さんを、そう簡単に手放せるんですか?」

 アタシがそう尋ねると、部長は「うーん……」と唸る。

 「息子の気持ちを無視したのは悪いと思うけど、いつかは僕の手を離れるのは、もう決まっている事だから。僕はいつでも覚悟は出来ているんだよ」

 そう言うと部長はアタシの頭を撫でる。取り敢えず、息子さんと話し合ってみると言って。

 「ところで、頼子は何で森脇さんを知っているんだい?」

 「ああ。私、アナタの会社の近くにもお店を持ってるじゃない? そこにね、ヤマちゃんが連れて来てくれたの」

 そう言うと頼子さんは、綺麗な笑みを浮かべた。坂内部長と結婚してたって事は、頼子さんて幾つなんだろう。山岡さんと年が近いのかと思っていたけれど、頼子さんて……。アタシは頼子さんの顔をジッと見つめながら、そんな事を考える。

 「珠子ちゃん? 女性の年齢は詮索しないものよ?」

 まるでアタシの心の中を見透かした様な頼子さんの言葉に、アタシは背筋がゾクリとした。

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