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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第2章 衝撃のショッピング・デート


 「ヤマが? ああ、そう言えば君達知り合いだったんだっけ。全く、世間は広い様でいて、結構狭いもんだね」

 坂内部長はそう言うと、頼子さんの淹れてくれたお茶を一服、口に含んだ。「そうねぇ。でも、アナタの会社の人間で、他に面識があるのはいないわよ?」と言って、頼子さんもお茶を一口飲む。二人共、落ち着いた雰囲気で、「お似合いだな」なんて思ってしまう。

 「ねぇ、珠子ちゃん? 龍弥の事で何かあったら、私に相談してね? この人の事は、多分、誰よりも知っている筈よ?」

 そう言うと、頼子さんはアタシの手を握る。「誰よりも知っている」と言う言葉に、胸がツキンと痛んだ。子供の頃からの知り合いで。男女間の色恋の気持ちはなくても、分かり合っていて。アタシの入り込む余地なんて、ないんじゃないかと不安になる。

 「止めてくれよ。頼子が出しゃばると、おかしな事になりそうだ」

 坂内部長はそう言って苦笑する。「龍弥」「頼子」とお互いを呼び合う仲。離婚はしたけれど、二人の絆はずっと繋がっていて。お子さんを介して、それはずっと続く物で。そんな事を考えると、アタシの心はモヤモヤとしてしまった。

 「珠子ちゃん? どうかした?」

 頼子さんが、アタシの顔を覗き込む。綺麗な人。華やかで、自信があって。アタシとは正反対だ。本当に男の人には興味がないのかな。

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