
おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)
第1章 Lost virgin
「緊張してる?」
顔を覗き込んでそう言われると、アタシは正直に頷く。坂内部長は、「そうか」と言うと、優しくアタシの頬を撫でた。「大丈夫だよ。嫌だったら、いつでも止めてあげるから」と言って。それから部長は、アタシの髪に、額に、頬に、鼻の頭にと、優しく口付けを落とした。そして、顔をちょっと離すと、じっとアタシの顔を見つめ、「好きだよ。君を大事にしたいんだ」と言って、唇に口付けた。
坂内部長のキスは、ちょっとだけほろ苦く、煙草の味がした。アタシは煙草を吸わないけれど、それを嫌だとは思わなかった。ゆっくりと舌を絡められ、舌を吸われる。首と腰の後ろに腕を回され、身体がクルッと反転させられると、アタシは坂内部長の身体の上に乗せられた。多分、これって「いつでも逃げていいよ」って事なのかも知れないなと、アタシはふと思った。体重を掛けられて、組み敷かれてしまうと身動きが取れないけれど。唯、腕を回して繋ぎ止められているだけであれば、振りほどけば簡単ではないかも知れないけれど、逃げる事は出来る。アタシの嫌な事はしないと言う、部長からの意思表示なんだと思う。
坂内部長は、アタシの首の後ろに回していた腕を緩めると、背中のホックに手を回し、片手でプチンとそれを外した。ううっ。やっぱり部長もAD部の人だ。脱がし慣れてる。アタシは肩紐を外されながら、そう思った。
アタシの腕から、ブラジャーの肩紐が外されると、それが床の上に落とされる。裸になった胸に、坂内部長の大きな掌が添えられ、掌で胸の先端を撫でられる。アタシを拘束するものはなく、嫌なら身体を起こして逃げればいいだけ。けれど、アタシは逃げずに坂内部長と口付けを続けた。
