
おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)
第4章 In his arms
「そりゃあね、君の身体に他の男が触れるなんて、気持ちのいい事じゃあないよ。でも、僕は君の気持ちを信じている。だから、言うんだよ」
そう言うと龍弥さんは起き上り、アタシを上からジッと見下ろした。その瞳は澄んでいて。アタシを心から信じてくれている事が伝わってくる。
「これからも、AD部の皆とオモチャの開発に携わるだろうけど……。仕事は仕事。そう割り切って頑張ってくれるかい?」
「…………。龍弥さんがそう仰るのであれば……」
「うん。ごめんね。僕も辛いけど……。なるべく、君の負担にならない様に気をつける。辛かったらいつでも言ってくれていいよ。その時は、他の方法を考えるから……」
龍弥さんはそう言うと、アタシの唇にチュッと軽く口付けた。色を含まない優しい口付けに、心がほんのり温かくなる。龍弥さんはAD部の部長だから、立場的に自分達の事ばかりを考えるワケにもいかないんだろうな。アタシもそれは理解しておかなくちゃいけないよね。
「アタシ……頑張ります」
「うん。でも程々にね? 辛い事があったら、いつでも相談するんだよ? 僕は君の上司だけど、その前に恋人なんだから……」
龍弥さんの口から「恋人」と言う言葉を聞けて、とても嬉しい。アタシが龍弥さんにギュッと抱き付くと、優しく抱き締め返してくれ、背中を撫でてくれる。その手が、腕が温かくて。心と身体が満たされていくのを感じた。
