
おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)
第5章 皆に秘密のラブラブ出張
「ねぇ、珠子ちゃん? 何で龍弥なの? 珠子ちゃんの部署なら、他にもヤマちゃんとか、色々と若い男の子が居るじゃない? 寄りにも寄って、何で龍弥みたいなオジさんなんかと……」
「龍弥さんはオジさんなんかじゃありませんっ!」
アタシが頼子さんの言葉を力一杯否定すると、頼子さんは、鳩が豆鉄砲を喰らったみたいな顔をしたけれど、その後直ぐに笑って「本気で好きなのね?」と言った。
「はい。好きです。どんどん好きになっていってます」
「あらあら。惚気? 珠子ちゃんを気に入っている私に向かって酷いじゃない」
「あ……えっと、でも、本気じゃないんですよね? アタシの事は……」
「んー……。そうねぇ。本気になる前に龍弥に盗られちゃったからなぁ。でも、一目惚れだったのよ?」
そう言って頼子さんはアタシを上目遣いで見た。その雰囲気が一段と色っぽくて。これが大人のフェロモンなのかと思うくらい、ドキドキしてしまう。いいなぁ。アタシもこれくらいフェロモンが出せたら、龍弥さんと並んでも霞んだりしないんだろうな。
「何言ってるのよ。珠子ちゃんはそのままでいいのよ。龍弥も私も、そのままの珠子ちゃんが好きになったんだから」
