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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第5章 皆に秘密のラブラブ出張


 メイクを済ませロビーに降りると、龍弥さんは未だ来ておらず、アタシは、隅の方にあるソファに腰を下ろし、龍弥さんを待つ。だが、約束の時間を五分過ぎても、龍弥さんは現れなかった。不安になってスマートフォンを取り出すと、メッセージの着信ランプが点滅している。アプリケーションを起動して確認してみると、『客先でトラブルがあったみたいで、その対応をしているから、少し遅れるけれど、ロビーで待っていて』と書かれてあった。アタシも行って、手伝った方がいいんじゃないかと思って、電話を掛けると話中で。不安になったアタシは、エレベーターに乗ろうと立ち上がったが、その時にまたメッセージが届いて、『あと少しで終わるから、そこで待っていて』と書いてあった。龍弥さんがそう言うのならと、彼が降りて来るのを待とうと再び腰を下ろした時だった。

 「……っ!?」

 突然、胸を揉まれる感覚に襲われる。嘘。誰かアタシの胸をと下を向いたが、誰の手も胸には触れていない。と言う事は、下着の内側に取り付けられていた、オモチャが動いていると言う事だ。「龍弥さんが近くにいる!」そう思い、キョロキョロと辺りを見回して見るが、龍弥さんらしき人物の影は見当たらなかった。

 (え? どう言う事?)

 幾ら何でも、部屋とロビーでは離れ過ぎていて、コントロールは出来ない筈だ。開発したデータを見た時は、障害物がない状態で、最高十五メートルだった筈だから、このロビー内に居ないワケがないのに。

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