テキストサイズ

おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第5章 皆に秘密のラブラブ出張


 アタシは龍弥さんの姿を求めて、視線を彷徨わせる。すると、スマートフォンが震え、メッセージが再び届いた事を知らせた。『ゴメン。長くなりそう。タクシーで先にお店に行っていてくれる?』とメッセージが書かれており、地図が添付されていた。オモチャを着けた状態で、知らない街を一人で出歩くなんて、不安で仕方が無いけれど。お仕事の邪魔をするワケにもいかないと思い、アタシは不安を抱えたまま、エントランスを通り抜けると、タクシーに乗り込んだ。オモチャはまだ、アタシの胸を揉み続けているけれど。強烈な快感を伴う物ではなく、何とか平静を保って居られた。

 運転手の男性に行き先を告げ、タクシーは走り出す。龍弥さんは大丈夫なのだろうか。そんな事を思いながら、見慣れない街の風景を見ていると、あっと言う間に目的地に着いた。滞在先のホテルからは、そんなに離れていない場所。土地勘のある人だったら、歩いてでも来れる距離なんじゃないかと思う。

 建物の看板で確認し、予約をしてあるお店までエレベーターで上がると、人気のお店なのか、とても賑わっていた。耳に入ってくるのは、ほぼ関西の言葉で不安になる。同じ日本なのだし、言葉が通じないワケではないけれど。普段、テレビを殆ど見ないアタシには、関西弁と言うのは、耳に慣れていなくてかなり怖い。それでも、「アタシはもう大人なんだから!」と自分を叱咤し、レジの所に立っていた男性に、予約していた事を告げると、男性は名前を確認してから席に案内してくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ