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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第5章 皆に秘密のラブラブ出張


 案内された席は、半個室で隣の席との間の壁が、満月の様に丸くくり抜かれており、その間には竹が填め込まれている。店内はかなり暗めで、席の上からピンスポットでテーブルが照らされているだけなので、椅子の背凭れに凭れ掛かると、顔はよく見えない様だ。

 「おいでやす」と言って、作務衣を着た男性がおしぼりとメニューを持って来てくれた。アタシはそれを受け取って、手を拭くと、バッグからスマートフォンを取り出し、龍弥さんに着いた事を知らせるメッセージを送った。すると直ぐに龍弥さんから、『もう直ぐ僕も行くから』と返信があり、アタシはホッと息を吐いた。

 龍弥さんを待っている間に、空いていた隣の席も埋まり、左右の席は賑やかになる。聞こえてくるのは、やはり関西弁で、アタシの心は不安で堪らなかった。目を合わせるのも怖くて俯いて龍弥さんをジッと待つ。すると、胸を揉んでいたオモチャの動きが、次第に強くなって来た。

 (えっ? 嘘? 何で? 龍弥さんが来たの?)

 そう思って入口の方を見たけれど、龍弥さんらしき人物の姿は見当たらない。何か別の無線で誤作動を起こしているのだろうか。これは報告しないといけないと思い、スマートフォンの文書作成アプリを開いて、文字を入力していると、今度は下のオモチャが作動し始めた!

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