君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
「…で、翔ちゃんはどこに向かってんの?」
まずは
話題の切り替えを図ろう
「え…決めてない」
「はぁぁ?」
何言ってんの?
だって今、高速だよ?
もうすぐ神奈川抜けちゃうよ?
…静岡に入るよ?
「ドライブだから…何も考えてなかった」
「無心で高速って…」
本気?
えーと…
翔ちゃんって実は天然?
俺は散々天然だって言われてるけど
実は翔ちゃんもじゃない?
「マジか…」
「智、どこか行きたいとこある?」
「いや、急に言われても…」
どうしよっか
…って言ってる翔ちゃんは
何だか楽しそうな顔をしていた。
確かに
ここまで来ると
呆れるをあっさり通り越すね
笑えてくるよ
「とりあえずさ…休憩しない?そこで、どうするか考えようよ」
仕方ないから
一番妥当な提案を出してみた
「そうだね…」
特に反論もなく
まずはサービスエリアに向かうべく
翔ちゃんはアクセルを踏み込んだ