君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
土曜日のサービスエリアはやっぱり混んでいて
…人混みがあまり得意じゃない俺は
少し離れた
ベンチのある芝生へ移動した。
翔ちゃんは
何か買ってくるね、と言い残して
行方不明(笑)
澄んだ空気が気持ちいい。
人の話し声も、ここなら気にならない程度だから
騒音にも感じない
ベンチに寝転がって、空を見上げる
雲ひとつない、澄んだ青空が広がっている
そういえば
ゆっくり空を見るなんて
ずっとしてなかった
時おり頭の上を飛んでくる鳥を見てたら
やっぱり来た
気持ち良さからの
…睡魔
さっきは全然眠くならなかったのに
気分が変わったからかな
あふ…と欠伸が出て
俺は自然に目を閉じていた
いい匂い
食欲を刺激する
美味しそうなそれに誘われて
ゆっくりと目を開ける。
「あ、起きた?」
俺の頭のすぐ隣に
翔ちゃんが座っていて
にっこりと微笑んだ。