君がいるから~Sweet Life~
第7章 i
だけど
今度は翔ちゃんに引っ張られて、その腕の中に捉えられる
「全く…かあさんは勝手すぎるんだよ!」
いやいや翔ちゃん…アンタもだよ
あっちで掴まってこっちで掴まって
俺を引っ張り回すな
「修の事は…もうあなたの言う通りね
…何も言わないでおくわ」
「そうしなよ。それがいいって」
うん、とりあえず落ち着いたのね?
「で、母さん?」
「ん?」
「それだけの為に、今日来たわけ?」
…途端に、おばさんの目が泳いだ
やだなぁ
何だかまた、嫌な予感がするぞ
「本当、勘がいいわね」
「いや、普通に分かるから」
…うん、俺もそう思う
「…妊娠、してるらしいのよ」
「母さんが?」
「バカ!」
いきなりベシッと翔ちゃんが叩かれた
…そりゃそうだろ
冗談にも程がある
「ってぇな、冗談くらい分かれよ」
「女性に対してはそうじゃないものもあるわよ」
「…母さんを"女性" とは区分してませんから」
「ホント腹立つわコイツ」
…この親子、何とかしてください